ビジネスで求められるのは「分かる」ことより「出来る」こと

こんにちは、せいきんぐです。

このブログでは、新卒で知識も経験もゼロだった私が、「わずか半年で社内の信頼を勝ち取り、部の中核を担うポジションに抜擢された経験」をもとに、知識と経験が無くても活躍出来る方法を発信しています。

今回の記事では、

~ビジネスで求められるのは「分かる」ことより「出来る」こと~

という内容について発信していきます。

1 「分かる」ことと「出来る」ことの違い

2 日本人は「分からない」ことを怖がりすぎている

3 「目的=何が出来ればいいのか」だけ分かればいい

4 まとめ

知識が無くてもビジネスの場で成果を出すコツだけ知りたい方は、2は読み飛ばしてしまって構いません。

※要点把握力って何?という方はこちらの記事をお読みください。

要点把握力とは何か

要点把握力を身に付けるメリット

 

【本文】

1 分かることと出来ることの違い

ビジネスの場では、「分かる」ことよりも、「出来る」ことが求められます。

分かっていなくても成果さえ出れば文句は言われません。

ここで、分かることと出来ることの違いをお伝えするために1つ例を出します。

(例題)

あるホテル会社の社長が社員全員に、

「東京オリンピックまでに全員英語を勉強しろ」と指示したとしましょう。

以下のAさんとBさん、どちらが高く評価されると思いますか?

[Aさん]

英語は分からなかったが、東京オリンピックまでに猛勉強してTOEIC990点を取得。

その結果、外国人からの英語での質問にすぐに答えることが出来た

だが、中国語や韓国語での質問には当然だが答えられないので、

無料の翻訳アプリを使ってコミュニケーションを取った。

[Bさん]

英語は分からなかったが、東京オリンピックまでにひたすらホテル内を歩き回り、

外国人が迷いそうな場所に英語を含む10か国語での案内を用意し貼り付けた。

その結果、ホテル内で迷ってしまう外国人が激減した

外国人から質問を受けた場合、無料の翻訳アプリを使ってコミュニケーションを取った。

 

さて、AさんとBさんどちらが評価されるでしょう。

 

(回答)

学校で褒められるのは「言われたことを徹底してやりぬいた」Aさんですが、

社会で評価されるのは「会社の目的をより達成した」Bさんです。

会社からは「英語を勉強しろ」と言われていたはずですが、「なぜ英語が必要なのか」を考えてみたら英語が分からないBさんが評価される理由が分かります。

 

ホテル会社が社員に英語を勉強させた「目的」は、

泊まってくれた外国人への応対レベルを上げ、「1人でも多くの外国人にまた泊まろうと思ってもらうこと」です。

 

その目的を達成するための方法の1つが、「社員が全員英語を喋れること」だった。というだけであり、その方法でなければいけない理由はありません。

外国人の満足度を上げて「またこのホテルに泊まろう」と思ってもらえさえすれば、方法は何でも構わないのです。

 

むしろ「社員の英語力を高める」という方法では、英語を喋れない外国人からしたら、

・翻訳アプリでしか会話が出来ない

・ホテル内の案内は全て読めない

というホテルになってしまうため、「次も泊まろう」と思うことはないでしょう。

 

そこでBさんは、

英語圏以外の外国人の満足度も高め、またこのホテルに泊まろうと思ってもらうため」に、

複数か国語での案内をホテル中に貼り付け、迷ってしまう人を減らしたのです。

 

Bさんは英語は「分かりません」が、

本来の目的である「1人でも多くの外国人にまた泊まりたいと思ってもらうこと」は達成出来たのです。

逆にAさんは英語は「分かります」が、

英語圏以外の外国人に「また泊まりたいと思ってもらうこと」は出来ていません

 

故に外国人全体のリピート率を高めるという目的は、

AさんよりBさんの方が「達成出来ている」と言えるのです。

 

これが、「分かる」と「出来る」の違いであり、ビジネスでは当然分かるだけの人よりも出来る人の方が評価されます。

 

2 日本人は「分からない」ことを怖がりすぎている

前述の通り、「分かる」よりも「出来る」ことが社会では求められます。

逆に言えば分からなくても出来さえすれば(結果さえ出れば)問題はありません。

 

しかし日本人は出来ることよりも「分かること」を重要視し、「分からないこと」を必要以上に怖がってしまう傾向にあります。

分からなければ出来るための他の方法を探せば良いはずなのに、「分からない」ということ自体に嫌悪感を抱き、他の方法を探すことをやめてしまうのです。

日本人が「分からないこと」を必要以上に怖がってしまう原因は、小さいころから受けてきた日本の教育にあります。

 

日本の教育は「答えが分かること」を評価し、「答えが分かった生徒」を褒めたたえるシステムとなっています。

例えばテストがその良い例です。

 

「1+1=?」という問題の答えが分かる(答えが2だと知っているが1+3の答えは知らない)ことと、

足し算が出来る(仮に問題が1+3になっても「加える」という本質が分かっているためその場で計算出来る)ことは意味が違いますよね?

 

しかし、テストでは解答欄に「2」と書いた生徒は全員正解です。

 

足し算が出来る出来ないにかかわらず〇をもらえ、先生から褒められます。

 

つまり足し算は出来なくても、「1+1の答えは2になるらしい」と知ってさえいれば、出来る子と同じように先生に褒められることが可能というわけです。

 

これがテストです。テストでは、出題された問題の答えを知ってさえいれば、「出来る人」と同じレベルの報酬(褒められる。評価される)を得られてしまうのです。

 

実際には足し算レベルで理解せずに暗記に走って点数を稼ぐ子はいないと思いますが、もう少しテストのレベルが上がってきたときに答えを暗記し始める子が現れます。

これは当然の行動です。

 

「なぜそうなるのか」「なぜ必要なのか」は理解できていなくても、聞かれたことの答えさえ分かれば褒められるので、

褒められたい子にとっては「分かること」が最も重要になってしまうのです。

 

そうして暗記でテストを突破し褒められることが続くと、以下のような考え方のクセがついてしまいます。

 

「答えが分かる(答えを知っている)」→褒められる。嬉しい。価値がある

「答えが分からない(答えを知らない)」→褒められない。叱られる。嬉しくない。苦しい

 

このような考え方のクセが小学校から刷り込まれてしまっており、

褒められたい真面目な人ほど「分からないこと」を必要以上に嫌うようになってしまうのです。

 

これが日本人が「分からないこと=悪いこと」と思いこんでしまう原因です。

 

【備考】

不良は「褒められること」よりも「やりたいことだけをやること」を重要視するので、

「こんなもん勉強していつどこで役に立つんだよ!」と叫んで授業を妨害したり、窓を割ったり、教室で飼っているメダカを池に放流したりします。

窓を割りさえしなければ非常に良い観点の質問です。

社会に出た瞬間から、「褒められること」ではなく「成果を出すこと」を求められるので、「どんな場面で成果を出すために必要な知識なんですか?」という疑いを立てることは非常に重要です。

むしろそれを疑わずに生きてきた真面目な人の方が、ビジネスの場では何をすればいいか混乱してしまう可能性が高いので、そうならないための考え方のコツを以下でお伝えします。

 

3 「目的=何が出来ればいいのか」だけ分かればいい

最初のホテルの例で示した通り、社会では「出来る=目的を達成すること」が一番に求められます。

 

ホテルの例で最も伝えたかったことは、

分からないこと=悪」ではないということです。

 

Bさんは分からない英単語がたくさんあるはずですが、それが分からなくてもホテルの目的は達成出来ていましたよね。

 

逆にもしBさんが「分からないことをいちいち気にしてしまう性格」だったらどうなっていたでしょう。

 

Bさんが「この単語が分からない」「あの単語も分からない」などと分からない単語があることをいちいち気にして勉強してしまっていたら、ホテル中に張り紙をするという発想が生まれる時間的余裕は無かったでしょう。

 

その結果、英語の勉強だけで時間が過ぎてオリンピック当日を迎えてしまい、英語が喋れない外国人の満足度に貢献することは出来なかったことでしょう。

 

気付いた方もいるかもしれませんが、それがまさにAさんです

 

Aさんは「分からないもの(単語)がある」ということをいちいち気にしてしまい、

「そもそもの目的を分かっていない」という致命的な事実を見落としてしまっているのです。

真面目な人ほど「分からないものがある」ことに気を取られてAさんのような状況に陥ります。

ビジネスにおいて全てを「分かっている」必要は全くありません。

唯一分からなければいけないのは、「目的=何が出来ればいいのか」です。

目的さえ分かっていれば、それを達成するための行動はなんでもいいのです。

他の細かいこと(ホテルの例では英単語)が分かっていなくても問題ありません。

しかし「分からないこと」を必要以上に怖がってしまう人は、

「目的(外国人全体の満足度)を分かっていないこと」という致命的な状況と、

「細かいこと(とある英単語)を分かっていないこと」という別に分からなくてもいいものを、

同じくらい怖がってしまいます

 

「出来る=目的を達成する」ことが最も大事なので、

まずは目的は何かを考えるのが最優先事項のはずです。

 

それなのに「分かっていないことが多すぎる!」と焦り、

簡単に答えが分かる細かいこと(英単語の暗記)から手を付けてしまうのです。

Bさんのように目的さえ分かっていれば、英単語は不要であるだけに勿体ないです。

 

同じ「分からない」でも、

「目的が分からない」ことと、

「細かいことが分からない」ことでは重要度が圧倒的に違います

「分からないこと」自体に罪悪感を覚える必要は全くありません。

 

「目的が分かっていないこと」に危機感を覚え、

真っ先に「何が出来ればOKなのか」を把握することに全力を尽くしましょう。

(他の細かいことは全て後回しにして構いません。)

 

これこそが、分からないことを気にしてしまう人に実践してほしいコツです。

 

もう一度言います。

 

①「分からないことがあること」自体は悪いことでも何でもないので、

「目的=何が出来ればOKなのか」を把握することを最優先にしましょう!

 

これを実践して、「分からない人」から「分からないけど目的は達成出来る人(Bさん)」へとぜひ進化してください!

※分からないことを後回しにするコツは、以下の記事で触れているのでぜひ参考にしてみてください。

要点把握力を付けるコツ その1「理解の後回し」

 

4 まとめ

・ビジネスで求められるのは「分かる」ことよりも「出来る」こと

・「分からないこと」は悪いことではない

・「目的=何が出来ればOKなのか」を把握することが最重要

 

分からないことまみれの中で、目的だけは分かるようにするための力が「要点把握力」です。

この「要点把握力」を身に付けるためのコツをTwitterや以下の記事で配信しているので、身に付けたい方はぜひフォローしてください!

Twitter せいきんぐ@知識ゼロのエリート

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